平成22年07月16日不当利得返還等請求,共同訴訟参加事件

最二判平成22年07月16日


<事案>
O市から補助金をもらっていたO市職員の互助組合がその補助金を、組合員のための企業年金保険の保険料に充てていました。
そこで、O市住民が、地方自治法242条の2第1項4号により、上告人ら(O市市長?)に当該互助組合に対し損害賠償請求か不当利得返還請求するよう住民訴訟を提起しました。
本件被上告人ら(O市住民)は、当該互助組合で構成されるA団体の理事らがO市の支出権限者と共同で違法な本件補給金の支出をさせたとして、上告人らに対し、A団体の理事達やこれらの理事達を理事とするB団体に対して、損害賠償請求をするよう共同訴訟参加の申出をしました(本件申出)。


 他方、被上告人らは、申出と同日、A団体の理事らがO市の支出権限者と共同で違法な本件補給金の支出をさせたとして,上告人らに対し,理事ら及びB団体に損害賠償請求をするよう求める訴訟を提起しました(別件訴訟)。
 別件訴訟と本件申出は、請求の趣旨と原因が同一でした。


この別件訴訟については,平成19年7月12日,適法な住民監査請求を前置していないとして訴えが却下され,確定しました。


ちなみに住民訴訟をする前に、住民監査請求(地方自治法242条)が必要です。出訴期間は、おおざっぱに言えば、住民監査請求に対する何らかのリアクションがあった日かあるべき日から30日以内ですが詳しくは、地方自治法242条の2第2項を参照して下さい。


<判旨>
 本件申出に係る当事者,請求の趣旨及び原因は,被上告人らに関する限り,別件訴訟と同一であるところ,別件訴訟において適法な住民監査請求を前置していないことを理由に訴えを却下する判決が確定しているから,本件申出はその既判力により不適法な申出として却下されるべきものである。


訴訟判決の既判力が共同訴訟参加の申出にも及んじゃったというわけですね。
原審が見つからないので、詳しいことがわからん。