特定電子メール法〜その2

三 オプトアウト(3条3項)
特定電子メールの送信をしないよう通知を受けたときは、特定電子メールを送信してはならない。

1 通知の方法特定
電子メールの送信をしないように求める電子メールアドレスを明らかにして、電子メールの送信その他の任意の方法によって行う(施行規則5条)。

2 例外 電子メールの受信をする者の意思に基づいて広告又は宣伝以外を主な目的として送信される電子メールに広告又は宣伝が付随的に行われる場合(3条3項但書、施行規則6条)
A  契約の申込みをした者又は契約を締結した者に対し当該契約の申込み、内容又は履行に関する事項を通知するために送信される電子メールにおいて広告又は宣伝が付随的に行われる場合
B 電子メールの受信をする者に対し広告又は宣伝が行われることを条件として提供される電子メール通信役務を用いて電子メールが送信される場合であって、その電子メールにおいて当該電子メール通信役務の提供をする者により広告又は宣伝が付随的に行われる場合 (例えば、宣伝広告がなされることが前提のフリーメール)
C 前二号に掲げる場合のほか、広告又は宣伝以外の行為を主たる目的として送信される電子メール(電子メールの受信をする者の意思に反することなく送信されるものに限る。)において広告又は宣伝が付随的に行われる場合


四 表示義務(4条)
1 特定電子メールの送信にあたって表示されるようにしないければならない事項
A  当該送信者(当該電子メールの送信につき送信委託者がいる場合は、当該送信者又は当該送信委託者のうち当該送信に責任を有する者)の氏名又は名称
表示場所:受信者が容易に当該事項を認識することのできる場所

B  前条第三項本文の通知を受けるための電子メールアドレス又は電気通信設備を識別するための文字、番号、記号その他の符号であって総務省令・内閣府令で定めるもの (3条3項但書、施行規則6条で定める場合を除く。)
表示場所:受信者が容易に当該事項を認識することのできる場所

2 総務省令・内閣府令(施行規則8条)
A 特定電気通信設備のうち法第3条第3項本文の通知を受けるための用に供する部分(当該通知をするために必要な情報の明確かつ平易な表現による提供その他の方法により特定電子メールの受信をする者が当該通知を容易に行うことを可能とするために必要な電磁的記録を保存したものを含むものに限る。「通知受領部分」)をインターネットにおいて識別するための文字、番号、記号その他の符号
 要するにURL
B 前号に規定する符号に対応させた文字、番号、記号その他の符号であって、特定電子メールの受信をする者が当該符号を用いてその使用する通信端末機器により通知受領部分に接続できるもの
 要するにリンク


(*)不特定の者によって受信されることを目的とする電気通信の送信(公衆によって直接受信されることを目的とする電気通信の送信を除く。)の用に供される電気通信設備

一般には、受信拒否の連絡先となる電子メールアドレス又はURL

3  その他総務省令・内閣府令で定める事項(施行規則9条)
なお、施行規則6条各号のいずれかに掲げる場合における特定電子メールの送信をする場合(オプトアウトの例外)は除く。
A 施行規則5条に定める方法により、特定電子メールの送信をしないように求める旨の通知を、4条第2号に掲げる電子メールアドレスをそのあて先とする電子メールの送信をすることにより又は施行規則8条に定める文字、番号、記号その他の符号を用いることにより行うことができる旨
 ようするにオプトアウトが出来る旨の記載
表示場所:第4条第2号に掲げる電子メールアドレス、URL等の表示がされた場所の直前又は直後(受信者が当該特定電子メールの送信に用いられた電子メールアドレスに返信することでオプトアウトの通知を行うことができる場合には、当該特定電子メールの任意の場所であって、受信者が容易に当該事項を認識することのできる場所)
B 当該送信者(当該電子メールの送信につき送信委託者がいる場合は、当該送信者又は当該送信委託者のうち当該送信に責任を有する者)の住所
表示場所:任意の場所(特定電子メール以外の場所に表示するときは、その場所を示す情報を当該特定電子メールの任意の場所に表示する。)
C 特定電子メールの送信についての苦情、問合せ等を受け付けることのできる電話番号、電子メールアドレス又はURL
表示場所:任意の場所(特定電子メール以外の場所に表示するときは、その場所を示す情報を当該特定電子メールの任意の場所に表示する。)

4 表示の方法
受信者の通信端末機器の映像面に正しく表示する。


五 送信者情報を偽った送信の禁止(5条)
送信者は、当該電子メールの送信に用いた電子メールアドレス又はURL等を偽って特定電子メールの送信をしてはならない。
罰則:1年以下の懲役又は100万円以下の罰金


六 架空電子メールアドレスによる送信の禁止(6条)
送信者は、自己又は他人の営業のために多数の電子メールの送信をする目的で、架空電子メールアドレスをあて先とする電子メールの送信をしてはならない。
 要するに、出会い系メールのように、ランダムにスパムメールを無差別に大勢に送りつけるようなことはしてはいけないということ。


七 総務大臣及び内閣総理大臣による措置命令(7条)
1 措置命令の対象
A 特定電子メールの送信の制限(3条)を遵守していない
B  表示義務(4条)を遵守していない
C  送信者情報を偽った電子メールを送信
D  架空電子メールアドレス宛の送信

2 措置命令の要件
 電子メールの受送信上の支障を防止するため必要がある場合

3 罰則
1年以下の懲役又は100万円以下の罰金
ただし、第3条第2項の規定による記録の保存に係るものは、100万円以下の罰金。


八 総務大臣又は内閣総理大臣に対する申出(8条)
1 特定電子メールの送信の制限(3条)表示義務(4条)送信者情報を偽った送信の禁止(5条)違反の特定メールを受信した場合
A  受信者は、総務大臣又は内閣総理大臣に対し、適当な措置をとるべきことを申し出ることができる。
B  総務大臣又は内閣総理大臣は、必要な調査を行い、その結果に基づき必要があると認めるときは、この法律に基づく措置その他適当な措置をとらなければならない。

2 第6条の規定に違反して架空電子メールアドレスをそのあて先とする電子メールの送信がされたと認めるとき
A  電子メール通信役務を提供する者は、総務大臣に対し、適当な措置をとるべきことを申し出ることができる。
B  総務大臣は、必要な調査を行い、その結果に基づき必要があると認めるときは、この法律に基づく措置その他適当な措置をとらなければならない。


九 苦情等の処理(9条)
特定電子メールの送信者は、その特定電子メールの送信についての苦情、問合せ等については、誠意をもって、これを処理しなければならない。


十 電気通信役務の提供の拒否(11条)
電気通信事業者は、
1 送信者情報を偽った電子メールの送信がされた場合において自己の電子メール通信役務の円滑な提供に支障を生じ、又はその利用者における電子メールの送受信上の支障を生ずるおそれがあると認められるとき、

2 一時に多数の架空電子メールアドレスをそのあて先とする電子メールの送信がされた場合において自己の電子メール通信役務の円滑な提供に支障を生ずるおそれがあると認められるとき、

3 その他電子メールの送受信上の支障を防止するため電子メール通信役務の提供を拒むことについて正当な理由があると認められる場合
当該支障を防止するために必要な範囲内において、当該支障を生じさせるおそれのある電子メールの送信をする者に対し、電子メール通信役務の提供を拒むことができる。


十一 報告及び立入検査(28条)
1 総務大臣又は内閣総理大臣は、この法律の施行に必要な限度において、特定電子メール等の送信者若しくは送信委託者に対し、これらの送信に関し必要な報告をさせ、又はその職員に、これらの送信者若しくは送信委託者の事業所に立ち入り、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる(1項)。

2 総務大臣及び内閣総理大臣は、特定電子メール等送信適正化業務の適正な運営を確保するために必要な限度において、登録送信適正化機関に対し、特定電子メール等送信適正化業務若しくは資産の状況に関し必要な報告をさせ、又はその職員に、登録送信適正化機関の事務所に立ち入り、特定電子メール等送信適正化業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる(2項)。

3 身分証の携帯提示(3項)
立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人に提示する。

4 立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない(4項)。


十二 送信者に関する情報の提供の求め(29条)
総務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、電気通信事業者その他の者であって、電子メールアドレス又URLを使用する権利を付与したものから、当該権利を付与された者の氏名又は名称、住所その他の当該権利を付与された者を特定するために必要な情報の提供を求めることができる。


十三 外国執行当局への情報提供(30条)
総務大臣は、この法律に相当する外国の法令を執行する外国の当局に対し、その職務の遂行に資すると認める情報の提供を行うことができる。


十四 権限の委任等(31条)
内閣総理大臣は、この法律の規定による権限(16条1項の登録、17条1項の登録の更新、25条の登録の取消を除く。)を消費者庁長官に委任する。
この法律に規定する総務大臣の権限及び前項の規定により消費者庁長官に委任された権限に属する事務の一部は、政令で定めるところにより、都道府県知事が行うこととすることができる。